近況報告: week 39

毎週火曜日に、前の週の活動をお伝えしています。

★☆★ 12月26日(月) ★☆★
朝まで執筆していたので、昼間はダウンしていた。

夜になって、公開前の論文をチェック。


★☆★ 12月27日(火) ★☆★
今日は事務仕事を片付けたり、執筆をしたり。

夜は、KIASの忘年パーティで、バイオリンの演奏を聴きながら食事。こういうパーティまでも税金からお金が出るというのは、日本では考えがたいよな・・・。


★☆★ 12月28日(水) ★☆★
午前中、脳の研究の打ち合わせ。ちょっとしたアルゴリズムを組んでまたデータを弄ってみるが、あまり進展はなし。

そして今日は、以下の共著論文がarXivに公開された。
Atsushi Ito, Makoto Miura, Shinnosuke Okawa, Kazushi Ueda
“The class of the affine line is a zero divisor in the Grothendieck ring: via K3 surfaces of degree 12”
arXiv:1612.08497

今年は、共著者の皆さんのおかげでたくさん数学の論文を公開することが出来た。備忘も兼ねて各論文に関するエピソードを書いてみたので、いずれ公開出来るものは公開しよう。(とりあえず昔の単著論文に関しては先にホームページに公開してみた。)


★☆★ 12月29日(木) ★☆★
4次元立体視の実験計画を練るため、心理学実験の本を読んでいたらかなり面白かった。

昼は、『赤い屋根の粉もの屋(빨봉분식)』で、やたら甘い味のチーズトッポギ。量が多い。
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夜は、Unityを弄って開発を進めたり、Oculus Touchの3Dお絵かきアプリQuillで遊んでみたり。積み木をやるにしても、お絵かきをやるにしても、バーチャル空間での3Dの操作感はかなり良くなってきている印象。


★☆★ 12月30日(金) ★☆★
今日も一日、本を読んで過ごす。

昼は、研究室のランチミーティングで『山海開』へ行き、中華うどんを頂く。普段セミナーには出ていないので、久々に皆と話せて楽しかった。
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★☆★ 12月31日(土) ★☆★
オフィスの掃除をしたり、資料を整理したりして、身の回りがすっきりする。

今年は大晦日だからといって特別なことはないのだが、『蓬坪蕎麦』で(年越し)蕎麦ビビン麺を食べてみたりはした。それからハーゲンダッツも、笑。
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★☆★ 1月1日(日) ★☆★
オフィスでUnityを弄って過ごす。一日やっても少ししか進まないし、まだまだ分からないことばかりだが、来週はきっと何らかの形にしてプッシュするぞ。

近況報告: week 38

毎週火曜日に、前の週の活動をお伝えしています。

★☆★ 12月19日(月) ★☆★
午前中は、エピポーラ幾何に関する打ち合わせ。

午後、数学のVRで少し近いことをやっている研究者に会いに行く。美しい作品を見せてもらってとても感動した。そして初めてOculus Touchも触らせてもらう。これは思った以上に異質な体験だなぁ!

夜は、祇園の『まる廣』で焼肉。シンシン、ハネシタ(ザブトン)、フカヒレ、三角バラなど、どの部位も蕩けるような美味しさで大満足だった。そして店主の話を聞いていたら、びっくりするほど研究熱心な方で、肉にこだわり抜いている姿勢には本当に感銘を受けた。
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★☆★ 12月20日(火) ★☆★
今日も一日数学の打ち合わせで、最近の共同研究に関連しそうな話を聴いたり、行き詰っている部分をあれやこれやと議論したり。

夜は、『さるぅ屋』でハンバーガーを食べながら持論を語っていたら、テンションが変になるまで喋り倒してしまった(よくある)。
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★☆★ 12月21日(水) ★☆★
今日は京都の最終日だったこともあり、割とのんびりとした打ち合わせだった。

お昼は、『天ぷら かふう』で穴子丼を食べたあと、吉田山緑地公園を散策して、森の中に佇むカフェ『茂庵』で抹茶ラテを頂く。
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そのあと夕方まで打ち合わせて、東京へ。


★☆★ 12月22日(木) ★☆★
小雨の降る中、朝から本郷に行き、VR関係の研究室を訪問。僕たちと似たようなソフトをHTC Vive向けに作っている海外のグループのことを教わったり、数学と異なる業界の常識をたくさん教わったりして大変勉強になった。

お昼は、『根の津』でぶっかけうどん。懐かしい上に、やっぱり美味しい。
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午後は、修士の学生がやっている、VRでの作業に関する実験に被験者として参加させてもらう。単純作業はやっていて眠くなることや、タスクに対する自分の成績が気になってしまう点など、被験者でないとなかなか気が付かない部分に学びがあった。

そのあと、みらい研究所に行き、雑談がてらandroid buildについて教えてもらう。

夜は、GitHubにメニューをコミットする話題の定食屋『未来食堂』へ行ってみる。店主の小林せかいさんが非常に個性的な方で、とても面白かった。フムスなどの珍しい料理を取り入れた定食がとても美味しい。そして、著書をくれたり獺祭を出してくれたりする一方、閉店作業や箸袋にスタンプを押す作業を手伝わされるという一風変わった体験をする。皆ごく自然に受け入れているところが興味深かった。

そして帰り道に、『たいやき神田達磨』で揚げたい焼き。これも美味しい!
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★☆★ 12月23日(金) ★☆★
朝からみらい研究所で開発のもくもく会。今日はモデル座標の回転をワールド座標の回転に直そうと思って弄っていたが、入手したてのOculus Touchを持って行ったこともあって他のお客さんと話が盛り上がってしまい、作業の方には集中出来ず。結局、4次元立体視のOSS化はoutlandkarasuさんに任せっきりになっちゃったけど、楽しい時間だった。

ちなみにわいわい騒いでいる後ろでしっかり仕事を進めて下さったoutlandkarasuさんのおかげで、GitHubには、Stereoscopic4Dを無事公開できた。今後は僕も加わってコミットを続けていく予定なので、興味のある方はクローンしてみてほしい。

そして夜は、数学者の友人と『ニクアザブ六本木店』でまた焼肉。ここも西麻布本店に負けず劣らず素晴らしいお店だった。

はじめ、説明より先に美味しそうな肉が出てきていたので、つい「これは勝手に焼いたら怒られるやつかな…」などと友人に囁いたら、しっかり店員に届いていて「怒りますよ」と突っ込まれる。ちゃんと決まった焼き方があるんだなぁ。
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★☆★ 12月24日(土) ★☆★
今日は義妹が遊びに来ていたので久しぶりに家族で買い物に出たり、たこ焼きパーティをしたり。『味穂』のたこ焼きも良いが、醤油ベースの我が家のたこ焼きは捨てがたい。

夜は、Oculus Touchを広げて遊んでいたが、Touchに同梱の「The Unspoken」というゲームがめちゃくちゃ良く出来ていて驚いた。仮想空間で超能力を使い放題。これはまさに夢のような体験だ!

そのあと私事で思わぬトラブルがあり、朝まで対応に追われる。

★☆★ 12月25日(日) ★☆★
寝ずに荷造りをしたまでは良かったものの、その後ついうたた寝をしてしまい、目覚ましアラームにも気付かず、ハッと起きたら出発の予定より1時間以上遅れていた。時刻は14時半。

あわてて東京の自宅を出たあと、とにかく関空を目指して急ぐ。新幹線の乗車券を京都までの往復で買ってしまっていたため、新大阪まで延ばすために行列の窓口に並ばされたり、荷物の重さを考慮せずに新大阪からの乗り換えを強行しようとして地下鉄に乗りそびれたり、何度も心が折れそうになったが、最終的に19時55分JR関西空港駅着から20時25分発金浦行きの便に乗せてもらう、というウルトラCを成し遂げることが出来た。

無理を通してくれたアシアナ航空のお姉さんと、電話の無い僕の代わりに状況を伝えてくれた妻には本当に感謝である。もし第2ターミナル出発だったら連絡バスに乗らなくてはいけないので、完全に乗りそびれていたところだった。

そして計画が狂いまくって遅れていたアドベントカレンダーの記事を、新幹線と機内、および金浦空港からのタクシーの中で執筆。KIASについてからもオフィスで執筆を続け、禁断の「寝るまでが今日」理論を使ってしまったが、何とかそちらも完走することが出来た。

ドラマの「24」を思わせるような非常に消耗する一日だったが、終わってみれば、不謹慎ながら実に痛快な体験だった。

情報技術で描く数学の未来

この記事は「数学カフェ_4次元コンテンツ出展の記録 Advent Calendar 2016」の、
25日目の記事となります。



本日は、サイエンスアゴラにおける数学カフェの企画「4次元を見てみよう ~情報技術で描く数学の未来~」に関連して、今後やってみたいことについて書こうと思います。

といっても、まだやってみたいことの候補はたくさんあり、一緒に出展した皆さんにもそれぞれの考えがあるため、この記事では単に、私個人が持つ今後の活動の方針と、すでに動き始めている4次元立体視の研究についての簡単な紹介を行うことにします。

活動の方針: 「情報技術から数学へ」

私たちは、サイエンスアゴラにおける企画名の副題を「情報技術で描く数学の未来」としました。これには、進歩する情報技術が数学者とともに力強く数学の研究を駆動していく未来のイメージを込めています。

この「情報技術から数学へ」というコンセプトが、私の考える大きな活動方針です。

進歩する情報技術はいずれ、これまでとは違ったレベルでさまざまな分野の問題を解決に導いていくことでしょう。もちろん、研究の世界も例外ではなく、この動きに無関心でいられないのは私や私の周りの研究者ばかりではないだろうと思います。

「数学へ」の部分について少し説明します。私は学生時代から長く数学に携わっており、数学や数学者のコミュニティからたくさんの恩恵を受けたことから、とにかく数学の進歩に貢献したいという気持ちが先走ってしまいます。しかし、数学への応用を志向する理由は、このような個人的事情の他にもあります。

その一つが、情報技術と数学の相性の良さです。数学の研究が、実験にかかる時間などの物理的制約を持たず、ほとんど情報処理の繰り返しによって進められていることは特筆すべき特徴です。また、もともと数学には、アイデアを正確に取り扱うための情報処理の技術が明確な形で集積しているという側面もあります。

さて、この「情報技術から数学へ」という活動の方針に従い、今後はVRはもちろん、機械学習やブロックチェーンなど、何でも結び付けていければいいなと考えています。たとえば機械学習を用いるなら、命題の真偽や計算結果の事前予測、問題の難しさの判定など、専門家の判断をサポートすることにつながる技術の中に面白いものがあるかもしれません。

4次元立体視の研究

大きな方針を述べましたが、直近の活動についても少しだけ紹介します。

せっかく実装をしたので、4次元立体視についてはもう少し調べてみたいと思っています。たとえば、4次元を知覚するということの意味をはっきりさせた上で、さまざまな疑問に答えられるように被験者を集めた実験も行う予定です。

実はサイエンスアゴラでは、一部のお客さんに4次元を見るために2次元+2次元の静止画2枚で情報としては十分であるという間違った数学的主張を伝えてしまいました。その点に関心を持って下さった方には、大変申し訳ないミスをしてしまったと反省しています。

正しくは、4次元立体視のON/OFFの切り替え時、もしくは視点を動かした時に運動視差として生じる幾つかの画像の情報が必要になります。このテーマに関しても別の形で整理して発表する準備を進めています。個人的には非常に面白い展開になってきたと感じている部分です。


まとめ

まとめると、4次元積み木についてはまだまだやりたいことがあります。とくに4次元立体視の研究についてはすでに動き始めているため、続報を期待して頂けると幸いです。また、4次元の陰影処理や物理演算などの開発にも、順々に手を付けていくつもりです。

さらに先のことについては「情報技術から数学へ」という活動の方針にしたがって、出来ることを何でもやっていきたいと思っています。

今年は、サイエンスアゴラの出展を通して、本当にたくさんの良い出会いがありました。今後もいろいろな人たちとコラボをし、副産物も作ることで、研究はもちろん、教育やエンターテイメントとしての価値も産み出すことが出来れば嬉しいです。

近況報告: week 37

毎週火曜日に、前の週の活動をお伝えしています。

★☆★ 12月12日(月) ★☆★
今日は朝から研究集会で京大へ。その後、共同研究の打ち合わせ。

夜は研究交流会で、最近の数学の話をたくさん聞けて楽しかった。

★☆★ 12月13日(火) ★☆★
午前中はフリーだったので、ホテルで執筆。午後は研究集会に参加して、その後、打ち合わせをする。

ホテルへの帰り道、人工知能が数学を出来るようにするにはどんなハードルがあり得るか、について議論して大いに盛り上がった。

★☆★ 12月14日(水) ★☆★
午前中が研究集会で、午後は打ち合わせ。

コンピュータ・ビジョンの問題を代数幾何の問題に落として議論していたのだが、共同研究者が鋭すぎるので面白い数学が見えてきて感動してしまった。

夜は、技術者の友人と『天ぷら有馬』へ。高校時代から彼と話してはいつも勇気をもらってきたが、今回もとても楽しかった。ソウルに戻ったらgithubのコミットを増やして、3月にはグレードアップした4次元積み木を見せるぞー!
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★☆★ 12月15日(木) ★☆★
今日は一日研究集会。

簡単な組み合わせ論から「ファノ多様体の分布」のような深い数学的現象を説明出来る、という話が僕の好みにぴったりで、この話は何度聞いても感心してしまう。

夜はまた共同研究の打ち合わせ。

★☆★ 12月16日(金) ★☆★
研究集会最終日。昼は『實徳(みのり)』で十割そばを食べたあと、『岩村紅茶』で贅沢な紅茶を頂く。うーん、最高だ。
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そのあと、夕方まで打ち合わせをして、夜は、『こ豆や 錦店』で湯葉料理を堪能。金曜日の夜なのに簡単に予約できてしまったから一瞬不安を感じたのだが、以前と全く変わらぬ美味しさで大満足だった。
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★☆★ 12月17日(土) ★☆★
早朝から大阪に行き、脳の研究についての打ち合わせ。僕は新入りだったので、機器を見せて頂いたりして、なかなか興味深い体験だった。

夕方から少し観光。初めて食べた本場の串カツなどはいまいちピンと来なかったのだが、『味穂』のたこ焼きは美味しかった。夜はイルミネーションを見ながら御堂筋を歩き、梅田から京都に戻る。この大規模なイルミネーションの実現に向かって動いた人たちの思いを想像すると胸が熱くなるなぁ。
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★☆★ 12月18日(日) ★☆★
昼過ぎまで祇園に。昼食は『十二段家 花見小路店』で大えび天丼を食べた。ここはだし巻きが絶品。
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そして夕方まで打ち合わせたあと、夜は数学者の友人何人かと先斗町の『まんざら亭』へ。帰りに「なぞともカフェ」の京都新京極店で謎解きをしつつ、遅くまで話した。

近況報告: week 36

毎週火曜日に、前の週の活動をお伝えしています。

★☆★ 12月5日(月) ★☆★
執筆をしたり、昨日の続きで数学の研究をしたり。

夜は、初めて入った『タダム麺処』でチキングクス(韓国式うどん)。とても良かった。
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★☆★ 12月6日(火) ★☆★
1日引きこもって、数学の研究にハマる。

昼食は、KIASの近くに3つある学食のうち、一番美味しい4階の食堂で。
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★☆★ 12月7日(水) ★☆★
今日も1日、数学をしていた。

ある不変量に対する公式が必要だったため数日悩んでいたのだが、対称性を使うとあっさり公式が導けて嬉しい気分になった。その結果、今まで存在しないと思っていた範囲に新しい例が見つかるなど。

お昼は『蓬坪蕎麦』で、じゃがいも白玉の蕎麦カルグクス(韓国式うどん)。
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★☆★ 12月8日(木) ★☆★
せっかくなので、昨日得た結果をまとめて、執筆。ある程度書いたところで、共著者に送った。今日はそれだけ。


★☆★ 12月9日(金) ★☆★
今日は朝から、4次元積み木やエピポーラ幾何に戻って、もう一度問題を整理してみた。

午後、韓国人の友人に頼まれて日本語の発表原稿をチェックする。日本での講演に備えて日本語で発表準備するなんて本当にすごい。真似できないなぁ。

その後、豚の背肉の煮込み料理(店名、料理名とも記録しそびれた)を頂く。
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★☆★ 12月10日(土) ★☆★
今日は一日、執筆をして過ごす。アドベントカレンダーのおかげで若干アウトプットが増している。でも、今後はもっともっとアウトプットして効率も上げていきたいところ。


★☆★ 12月11日(日) ★☆★
早朝のフライトで大阪へ。すると偶然にも同じ時間帯に共同研究者の友人が関空に着いていることが分かり、急きょ空港で打ち合わせた。これはラッキーだったなぁ。

そして夜、京都のホテルに着いたあと、和牛つけ麺を食べに四条烏丸の『和醸良麺』へ。久しぶりに来たけど、やっぱり美味しい。
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出展までのいきさつ

この記事は、数学カフェのアドベントカレンダー「4次元コンテンツ出展の記録」の、
11日目の記事となります。

本日は、企画の立ち上げからサイエンスアゴラ当日の発表に至るまでのいきさつを、東京で実施した次の3つのイベントを中心に振り返ってみたいと思います。

1. キックオフミーティング
2. 中間発表会
3. 事前講習会

前提として、私たちは次のような特徴のあるチームでした。
・ 多様なメンバーが有志で集い、初対面の組み合わせも多かった。
・ アクティブメンバーは10人前後で、コミットの具合も様々だった。
・ どのタイミングからでも、参加するメンバーを受け入れていた。
・ 遠隔コミュニケーションが中心だった。

私たちのように、プロジェクトを進める数か月間だけ、オンライン上で緩く繋がる「分散型」のチームは他にもたくさんあるでしょうし、今後ますます増えていくのではないかと思います。似たようなプロジェクトを始めようとしている方の参考になれば嬉しいです。


キックオフミーティング

5月中旬に、数学カフェとしてサイエンスアゴラの出展を目指すことが決まり、中の人と打ち合わせて書類を提出しました。審査に受かって出展が確定したのが、6月30日。そこから、少しずつ動き始めて、7月末の企画説明会で初めてメンバーに会いました。

この時、たしか @yuta_1nose さんだったと思いますが、キックオフミーティングをやろう、というご提案があり、バタバタと翌週に開催する運びとなりました。

このミーティングには想定より多くのメンバー(13人)が集まり、借りていた会議室の定員をオーバーしてしまったため、頼み込んで入れてもらった記憶があります。数学カフェの中の人が進行して下さる中、私が企画の趣旨を、@yuta_1nose さんが運営に関することをそれぞれ説明しました。

この時、説明を聞いていたエンジニアの @shoko3168 さんが、回転する4次元立方体のスクリプトを見つけてきて、@muripo_life さんが、すぐにこれを Oculus Rift で表示して下さいました。あっという間の出来事でしたが、「こういうことか」と歓声が沸いたのが印象に残っています。

キックオフミーティングの効果はてきめんで、その日を境に開発も始まり、活発なコミュニケーションがなされるようになりました。

中間発表会

中間発表会を行ったのは、会場の下見や出展調査票の提出といった事務的な作業が終わったあとの、9月の中旬。一部のメンバーが集まって開発の状況などを確認しました。

開発面ではこの日が良い目標になりました。@outlandkarasu さんと作っていた4次元立体視のシステムや、@tany さんの作っていたタブレットコンテンツのモックアップがこの日に持ち寄られ、今後の方針が議論されました。

事前講習会

いよいよ本番の前の週になって、当日のスタッフ向けに講習会を行いました。この日に新しく参加してくれた方も、5、6人いらっしゃいました。

展示するアプリを使ったリハーサル、出展コンセプトの共有、そして説明方法の周知などが目的でしたが、ラストスパートに備えて団結するという効果もあった気がします。

実際、この講習会で開催が決まった最後の開発もくもく会では、Oculus Riftのアプリを随分ブラッシュアップすることが出来ました。また、この講習会にいらっしゃった Unitusゲームコースの皆さんが、急ピッチでMerge VR用のVRアプリを制作し、展示に加えて下さいました。これについては、本アドベントカレンダー5日目のりっちゃんの記事に詳しいです。


まとめ

今回のサイエンスアゴラへの出展は、私たちにとっては初めての経験ばかりで、たくさんの学びがありました。特に今回紹介したような要所要所でのイベント実施は、私たちのような「分散型」のチームがプロジェクトを進める上で、とても効果的だったと感じています。

それから、最後の1週間というのは、やはり馬鹿にならない生産性を発揮出来ますよね、笑。事前講習会を本番1週間前という時期に設定したことはプラスに働いた気がします。

以上、まともに組織に属したことのない素人の目から見た感想でしたが、明日は、@yuta_1nose さんが組織運営や会場運用に関して書いて下さいます!

近況報告: week 35

毎週火曜日に、前の週の活動をお伝えしています。

★☆★ 11月28日(月) ★☆★
今朝から自主オフィスアワー的な試み appear.in/miurror を始めたので、割と早い時間からオフィスに行く。早起きをすると気持ちが良いな。

一日、計算をしたり、執筆をしたり。夜は、数学の打ち合わせが1件。


★☆★ 11月29日(火) ★☆★
今日も主に執筆をしていた。

夕方、『New Delhi』でチキン・ド・ピアッツァとチーズナン。
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★☆★ 11月30日(水) ★☆★
今日は主に本を読んで過ごす。そして夕方からはまた執筆。


★☆★ 12月1日(木) ★☆★
アドベントカレンダーの記事を弄っていたら、かなり時間がかかってしまった。

夜は、『李おじさんが焼くかまどピザ』でボロネーゼを食べる。辛い!
【photo】
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そのあと、技術者の友人から話を聞けたのは、非常に有意義だった。来年はやりたいことがめちゃくちゃあるが、機械学習関連でも一仕事やりたいな。


★☆★ 12月2日(金) ★☆★
今日も論文を読みながら執筆。

昼に、『季節』でキムチ鍋うどんを食べる。日本酒の瓶がたくさん置いてあり、日本の居酒屋みたいな雰囲気のお店だった。しかし、箸はステンレス製なんだよな。
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★☆★ 12月3日(土) ★☆★
4次元立体視の理論面で勘違いしていた部分をもう一度考えるも答えが出ない。これは仕方がないので後回しにして、アドベントカレンダーの執筆。

夜は『どんぶり屋』で鮭納豆丼。納豆をすごく久しぶりに食べた。
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★☆★ 12月4日(日) ★☆★
今日は集中して数学の計算。大した計算じゃないので今日のうちに終わらせる企みだったが、理解していない部分があって難航してしまう。うーん、もう何日か必要になりそうだ。

お昼には、『鍾路のり巻き』に行き、キムパッ(のり巻き)の盛り合わせを食べる。
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夜は、appear.inで数学の打ち合わせ。こちらは一区切り付いた感じでほっとした。

4次元立体視について

この記事は、数学カフェのアドベントカレンダー「4次元コンテンツ出展の記録」の、
3日目の記事となります。

本日のテーマは、私たちのVRアプリに取り入れた、
新しい4次元の知覚方法「4次元立体視」についてです。

サイエンスアゴラでは、出展ブースにポスターを貼ってこの方法を紹介しました。
その詳細はまた別の形で発表する予定なので、今回は概要だけサクっと紹介します。

4次元を見る昔ながらの方法

4次元のユークリッド空間 \mathbb{R}^4 の中に置いた物体を観察する際に、
昔からよく用いられている2つの方法は、切り口を見る方法と、影を見る方法です。
どちらも、4次元の情報を3次元に落として捉えるという考え方です。

切り口を見る方法については、今日は触れません。
4次元の世界を舞台にした Miegakure という美しいゲームを開発している方がいますが、
彼は、この切り口を見るという方法を採用しているようです。
リンク先のサイトには分かりやすくて美しい解説動画がたくさんあるので、
ぜひ参考にしてみて下さい。

ここでは影を見る方法を考えます。
4次元空間の景色を1枚の3次元スクリーンに投影し、
その像を眺めることで、4次元の様子を掴もうという方法です。

例えば、4次元空間の中で、普通の3次元立方体を「めくって」みることが出来ますが、
その影を撮影すると、次のような見え方をします。
立方体をめくる様子
立方体の6つの面が同時に裏返っている様子が分かりますか?
内部の向き(パリティ)も反転していて、「裏側」が見えています。

4次元人には、「まつ毛」がある?

私たちが見ているのは、ディスプレイ上の2次元の映像なので、
実際には4次元の景色から、2次元の画像を作っていることになります。
これは粗くみると、次のような変換と同等です。

\begin{bmatrix}X\\ Y\\ Z\\ W \end{bmatrix}\longmapsto\begin{bmatrix} x \\ y \end{bmatrix}=\begin{bmatrix} X/Z \\ Y/Z \end{bmatrix}

さて、この変換には、W方向という特別な方向があります。
この特別な方向へ物体を平行移動してW座標を変化させても、
画像の方には何も変化が生じないため、決してそれを認識出来ないという
ヘンテコな方向です。

4次元人の目には、この特別な方向を定める「まつ毛」が生えていると考えると、
イメージがつきやすいかもしれません。
ただし、「まつ毛」には文字通りの意味はなく、この記事だけの用語です。
(数学的には、線形射影 \mathbb{P}^4 \dashrightarrow \mathbb{P}^2 の中心の直線のことです。)

【概略図】
ac

「まつ毛」を揺らして4次元を見る

私たちの用いた4次元立体視の方法では、
両目に共通の3次元スクリーンを考えることはやめ、
左右の目それぞれで、独立に4次元から2次元の変換を行うことにしました。

といっても、実際のところ、左右の目の「まつ毛」を平行に保っている限り、
共通の3次元スクリーンに映った影を眺めることと、区別が付きません。
つまり、Oculus Riftを通してみても、通常の3次元空間を見ているように感じられます。

そこで、この左右の「まつ毛」の向きをそれぞれ少しだけ傾けることで、
4次元ならではの見え方を提示することを考えました。
これが、私たちがVRアプリで実装した、4次元立体視の概要です。



さて、4次元立体視について、いろいろな疑問が浮かんでくるかもしれませんが、
より詳しいことも、研究と開発の状況に合わせて、随時公開していきたいと考えています。
このアドベントカレンダーでも、実際に私たちのVRアプリを体験した方が、
記事を書いてくださる予定ですので、どうぞご期待ください。

明日は、数学カフェの中の人がマーケティング・PRについて書いて下さいます。

4次元積み木を作ろう

この記事は、数学カフェ_4次元コンテンツ出展の記録 Advent Calendar 2016 の、初日の記事です。



私たちは今年、4次元のVRコンテンツを制作し、
11月5, 6日のサイエンスアゴラに出展しました。
企画のページは以下になります。
4次元を見てみよう~情報技術で描く数学の未来~

はじめ、あまりプログラミングに経験のなかった私は、
「4次元積み木」が出来たら嬉しいな、と軽く妄想していただけでした。
しかし、この妄想は日に日に重篤になっていきます。
いまや私が「4次元積み木」に賭ける思いは真剣そのものですが、
今日はそれについて少し説明(弁解)を試みたいと思います。
(「4次元積み木」がどんなものかについては別記事で書く予定です。)



その前に少しだけ経緯を振り返ると、
実際には、4月ごろから、妄想を口に出して周囲の反応を伺ったり、
研究の公募に出してみたり、技術に詳しい人たちから話を聞いてみたりと、
やみくもに動いていました。

5月中旬にサイエンスアゴラの話を数学カフェの中の人に持ちかけたところ、
次第に興味を持ってくれる方々が集まり、
サイエンスアゴラまでに一定の形に出来たことは、本当に嬉しい出来事でした。
このあたりの経緯は、明日の記事で、数学カフェの中の人も書いてくださると思います。



それでは、なぜ「4次元積み木」を真剣に考えるのか、
私なりの説明をしていきたいと思います。

実のところ、その理由には、私の「数学観」が深く関わっています。
数学者としてひよっ子の私が自分の数学観について論じるのもおこがましいので、
私の好きな、小平邦彦先生のエッセイ「一数学者の妄想」を紹介し、
若干の補足を加えることで説明に繋げようと思います。


「一数学者の妄想」の紹介

このエッセイは、「数理科学」1975年6月号に載せられたもののようですが、
以下の文庫本「怠け数学者の記」に収録されている
別のエッセイ「数学の印象」(「数学のすすめ」1965年5月)においても、
同じような数学に対する考えや概念が語られており、
小平先生が長く抱いてきた数学観を簡潔にまとめたものであると分かります。

小平先生は、数学的現象というものが自然の一部として実在している、
とみなす考えを、いろいろな所で述べています。
これはきっと数学に携わる人にとっては、共感しやすい考えだと思いますが、
このエッセイではさらに、数学者はその数学的現象を「感覚」によって
知覚しているのだという、非常にユニークな視点が持ち込まれています。

数学を理解するということは、その数学的現象を「見る」ことである。「見る」というのは勿論目で見るのとは異なるが、ある種の感覚によって知覚することである。私はかつてこの感覚を「数覚」と名付けたことがある。

人間にとって、この数覚が未発達であることをたとえた色彩画家たちの議論は、
数学を前にしたときの、私たち人間の卑小さを巧みに言い表していて、実に愉快です。
また、数覚が本当に純粋な感覚と並べられるようなものなら、
矯正や進化も可能なのかもしれないと思わせます。

将来人類が進化して数覚が発達した暁には、現在われわれが苦心して証明している定理が数覚によって一目瞭然証明なしに分るようになるのではなかろうか?


数覚提示技術を目指して

私は8年間、ある種の高次元の図形を研究してきましたが、
数式処理ソフトを用いて実験したり、見えない不変量を計算したりする中で、
このソフトが足りない数覚を補助しているのではないか、と感じるようになりました。

一方、様々な感覚を実質的に提示することを目指す技術、
すなわち、バーチャル・リアリティの技術が近年大きく進歩していることを知り、
視覚や聴覚と同様に、数覚を提示する技術もいつかは可能になるかもしれない、
という考えに至りました。

私が研究しているような高次元の図形も、
100年後にはまったく違った方法で知覚出来るようになっているのかもしれない、と。

「4次元積み木」が、そのような技術に繋がる可能性があるのかは、
もちろん全く分かりません。それに、「4次元積み木」が完成したとしても、
当面、扱える数学は原始的なものに限られるでしょう。
それでも私は、このわずかな可能性から、
「4次元積み木」を真剣に追及する価値があると思うようになりました。



「4次元積み木」に対するこのような独特の期待は、
あくまで数学を研究してきた私個人の考えに過ぎないのですが、
共感して、協力や応援をしてくださる方々がいることは、本当にありがたいことでした。

また、今回のサイエンスアゴラでは、私とはまったく異なる背景を持つ方々が集まり、
それぞれまったく異なる視点から、4次元を見てみたいと感じて下さったようです。
そんな皆さんの視点は、また明日以降の記事の中でまた語られると思います。

近況報告: week 34

毎週火曜日に、前の週の活動をお伝えしています。

★☆★ 11月21日(月) ★☆★
いつもより遅く出勤したのち、執筆をして過ごす。

夜はappear.inで数学の打ち合わせ。ちょっと宿題が出来た。

★☆★ 11月22日(火) ★☆★
気になることがあって古いノートをひっくり返し(といってもスキャンしたデータなので実際にひっくり返したわけではない)、主に思い出す作業をする一日だった。

夜はリニューアルした『永華荘』で麻婆豆腐を食べる。辛さが効いていて癖になる旨さだ。
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★☆★ 11月23日(水) ★☆★
数学の宿題に手を付けていたが、まとまらないので後回しにして読書。

夜、amazonスタジオのドラマ「ハンド・オブ・ゴッド」を観始めたら、ハマって夜更かしをしてしまった。実は韓国に住んでいると amazonの宅配サービスが一切使えないので、今のところプライム会員になるメリットはほとんどない。しかし、amazonスタジオのドラマは海外から視聴できるものも多いし、一定のクオリティが保証されているので、最近はよく観るようになった。正直、このためにプライム会員を続けているといっても過言じゃない。

★☆★ 11月24日(木) ★☆★
今日も、古いノートを見ながら考えをまとめてみたり、関連する本を読んだり。そのあと、サイエンスアゴラ関係でまた少し執筆をする。

サイエンスアゴラといえば、先日のサイエンスアゴラでの企画に関連して、アドベントカレンダー「数学カフェ_4次元コンテンツ出展の記録」をやることになった。アドベントカレンダーというのは、クリスマスまでの25日間、互いにバトンタッチしながらブログ記事を書いていくという一部エンジニアの風習で、季節感もあるし、なかなか風流な文化だと思った。

★☆★ 11月25日(金) ★☆★
今日は、2つあった数学の宿題に取り組む。どちらも全部は終わらなかったので、いよいよ来週が忙しくなりそうだ。

★☆★ 11月26日(土) ★☆★
この週末は、所用で小倉の実家に帰省。両親に贈ったタラバガニをちゃっかり自分も食べに行くという、笑。うーん、美味しかった。
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★☆★ 11月27日(日) ★☆★
夜、福岡空港から仁川へ。夜景が綺麗なので夜の飛行機は好きだなぁ。ただ、飛んでいる時間はわずかなのに、電車の移動が長いので帰宅が深夜になってしまうのは難点。12月からはジンエアーの北九州-仁川便が就航するらしいので、少し便利にはなりそうだが。

さて、11月から新しく始めると言っていたコンテンツを考えあぐねていたけど、とりあえず無理なく続けられそうな appear.in/miurror をやってみることにした。趣旨は固定ページに書いておく。ちゃんと成り立つといいけど、どうだろうな。